今年、私は新たな料理の冒険に踏み出し、麦味噌作りに挑戦しました。これまでは主に米味噌ばかり作ってきましたが、山口への帰省で食べたある麦味噌のお味噌汁が、私の味蕾を刺激し、懐かしさと甘さを感じさせてくれました。

その瞬間から、麦味噌のお味噌汁への憧れが生まれ、私は今年初めて麦味噌を手作りしてみることを決意しました。新たなレシピに挑戦することは、私にとって食のアートのようなもので、新たな世界を発見する期待に胸を膨らませました。

麦味噌の製作は、まず麹の選択から始まりました。大豆の2倍の麹を使うことに決め、塩分濃度は10%程度に設定したはずですが、いつもの癖でメモを取ることを忘れてしまいました。正確なレシピを記録せずに始めたことが、後に悔やまれることとなりました。

麹と塩分濃度を調整することは、味噌づくりのデザインのようで、自分だけの特別な味噌を生み出すことができる素晴らしい機会であると感じました。味噌づくりは、科学と芸術が交差する場所であり、それを楽しむことは自分自身の食のアイデンティティを見つける手助けとなります。

麦味噌作りは、時間と忍耐が必要なプロセスでした。発酵が進むにつれ、麦の香りと麹の変化を感じ、味噌の醸成が進むのを見守りました。その過程で、私の感覚が磨かれ、食べ物に対する新たな理解が深まりました。

来年、同じ味噌を再現することができないかもしれないと思うと、少し寂しい気持ちもあります。しかし、それは新たな挑戦と発見が待っていることを意味しています。麦味噌づくりは、絶えず進化し続けるプロセスであり、そのたびに新しいレシピや味わいを探求する楽しみがあります。